実りの秋。たくさんの果物が旬を迎えています。
りんご、ミカン、柿など、よく目にするようになりました。
最近は「甘いから太る」「果糖は糖尿病に悪い」などと、敬遠される傾向もありますが、
実はそれは大きな誤解だということがわかってきました。
くだものは食物繊維やポリフェノールなどが豊富なため、甘くても、
糖尿病をはじめとする生活習慣病予防につながり、ダイエットにも役立ちます。
くだものを上手に食べて、メタボリックシンドローム撃退につなげようという取組みがあります。
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予備軍を含めると7人に1人が罹患している糖尿病。
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 健康機能性研究チーム上席研究員の田中敬一さんは、「くだものは糖尿病予防に役立つ」と断言する。健康的と考えられている野菜や魚、米などが中心の日本の伝統型食事と、それにくだものや乳製品を加えたバランス型食事では、「くだものを含むバランス型食事の糖尿病発症リスクは日本の伝統型食事などの非バランス型食事の2分の1になる」(同)という。
その秘密は、くだもののGI値(炭水化物を含む食品の血糖上昇作用を数値化した指数)の低さにある。「豊富に含まれている水溶性の食物繊維が胃の中の粘度を高め、急激な血糖値の上昇を抑制する」(同)のだ。果糖のような単糖類は血糖値を上げると思われがちだが、実際は、「くだものの糖類は、食物繊維の影響で吸収されにくい」(同)。食物繊維がもたらす満腹感も利点で、リンゴの場合、「カロリー当たりの食物繊維はサツマイモよりも多く、水を含むと体積が12~38倍にもふくらむ」(同)。そのため、血糖値の上昇が緩やかになるうえ、「2時間後には血糖値が下がっているにもかかわらず、満腹感が持続しているという研究報告もある」(同)。
ほかにも、リンゴ1日420グラム(1個半~2個)を3週間毎日摂取するという研究では、血液中の中性脂肪の値が21%減少するなど、「くだものには高脂血症の予防効果も期待できる」(同)。果糖は大量に摂取すると中性脂肪を増やすが、温州ミカンなら1回50~100個以上も食べない限り影響はない。加えて、「カリウムが豊富なので、血圧上昇の原因であるナトリウム(塩分)を排出し、血圧を下げる働きもある」(同)という。
くだものには、血管を強くしたり、血中コレステロール値を下げる効果があるビタミンCやフラボノイド化合物なども多く含まれている。活性酸素の発生を防ぐビタミンE・Cやポリフェノールなどの含有量も豊富だ。「くだものは、メタボリックシンドロームを撃退し、脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる病気から体を守るために欠かせない存在」(同)なのだ。
摂取する目安は1日1~2個。ウエスト周りが気になるアナタ、くだものは足りていますか?
【メタボ撃退に効果的なくだものの食べ方】
管理栄養士でせんぽ東京高輪病院栄養管理室の足立香代子室長によると、メタボ撃退にくだものを役立てるには、「朝、食べるのがおすすめ」。「キウイフルーツを2個食べるだけで、血圧を下げる働きをするカリウムを、1日の摂取目安量の3分の1近い580ミリグラムとることができる」(同室長)。重度の糖尿病患者でも、「日中、くだものを食べる分には問題はない」(同室長)という。
朝食には、野菜を食べるのが理想だが、時間がないときも食事を抜くのではなく、「食パン1枚、無糖のヨーグルト、くだもの1つという組み合わせでもよいので、きちんと食べること。とくに、20歳ごろより体重が6~7キロ増えたという人は、朝にくだものを食べるようにしてください」(同室長)。
【くだもののカロリー】
「くだものは甘くてカロリーが高い。太る」というのが誤解だ。100グラム当たりのカロリーをみると、ゴボウ65キロカロリーに対し、リンゴは54キロカロリー。温州ミカンはパセリと、アンズはニンジンやタマネギと同等だ。
田中さんは「カロリーと甘さは直接関係ない。大半の果物は、100グラム30~70キロカロリーと高くありません」。くだものよりもカロリーが低い野菜はあるが、ししとうがらし(27キロカロリー)や青ピーマン(22キロカロリー)などを、生で大量に食べることはむずかしく、「油炒めにすると、ししとうがらしが60キロカロリー、青ピーマンが64キロカロリーとリンゴより高くなってしまう」(同)。
セロリ(15キロカロリー)なども「マヨネーズやドレッシングをかけるとくだものと同等かそれ以上」(同)。その点、手を加えずに食べるくだものは、「実際は、野菜とほぼ同じカロリー。ビタミンや食物繊維など、豊富な栄養素を、丸ごと食べることができます」(同)。
SANSPO.COMより一部抜粋